管理栄養学科 澤井明香准教授の論文が掲載されました
栄養学やビタミン学に関する研究論文を収録する専門誌『Jouranal of Nutrirional Science and Vitaminology』2024年70号に管理栄養学科 澤井明香准教授の論文が掲載されました。
論文のタイトル
Influence of Chronic Mental Stress on Taste and Pungency Due to End-of-Semester Examination
研究内容
慢性的な精神的ストレスが辛味感覚や味覚に与える影響を検査液で測定したところ、辛味感覚の顕著な鈍化や、味覚(塩味、甘味、酸味、苦味)のわずかな鈍化がみられました。また、辛味感覚は舌で感じる痛覚のため、痛覚定量分析装置で前腕皮膚の痛みを調べると、辛味感覚の鈍化と皮膚痛覚の鈍化は関係が深く、有意正相関していました。
なお、この研究の5年程前には、短期ストレスでも同様の検査を行っており、今回の慢性ストレスの方が、心電図分析から得た交感神経活性も、辛味や痛覚、味覚の鈍化も激しいこともわかりました。精神ストレスが味覚痛覚に及ぼす影響を、これらの2つの研究により、初めて客観評価することができました。
精神ストレスは病気の発症や進行に深く関わると考えられています。ストレスによる痛覚や味覚の変化を知ることは、病気の成因の解明につながるほか、体調不良の早期発見や休養を必要とする兆候として利用することで、病気の発症や進行を予防する有効な手段になる可能性があります。
掲載紙はこちら
論文掲載ページ
1)慢性ストレスでの辛味感覚と味覚
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jnsv/70/6/70_445/_article/-char/en
2)短期ストレスでの辛味感覚と味覚
Influence of Acute Mental Arithmetic Stress on Taste and Pungency
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