企業間連携を促すECHONET Lite Web API実証システムの開発(スマートハウス研究センター 特別研究室 特命教授 一色 正男)
スマートハウス研究センター(特別研究室 特命教授 一色 正男)
当センターでは、白物家電や住宅設備機器を制御する国際標準の通信プロトコル ECHONET Liteに関連する研究を行なっている。今回紹介するECHONET Lite Web API実証システムは企業間連携によるスマートハウスサービスの発展を目指している。
1) ECHONET Liteとは?
ECHONET Liteは、Home Energy Management System(HEMS)における国際標準の通信プロトコルです。このHEMSとは家庭内のエネルギー消費量が大きい機器(例えば、エアコン、給湯器など)やエネルギーを創ったり蓄積したりする機器(太陽光発電、蓄電池など)を制御しエネルギーを効率的に利用するシステムのことです。
ECHONET Liteの詳細に関しては規格を策定している一般社団法人エコーネットコンソーシアムの紹介動画(以下URL)をご参照ください。
https://youtu.be/zn3pKCB_8ZU
https://youtu.be/I-tX3FpzbwE
2) ECHONET Lite Web APIとは?
ECHONET Lite Web APIとは、簡単に言えばインターネット経由でECHONET Lite 機器の操作を行う仕組みです。ECHONET Lite規格を策定している一般社団法人エコーネットコンソーシアムがガイドライン(下記URL)を公開しています。
https://echonet.jp/web_api_guideline/
3) 今回開発したECHONET Lite Web API実証システムの紹介
本システムは一般社団法人エコーネットコンソーシアムと当センターによる共同研究の一環であり、ECHONET Lite Web APIの普及促進を目指したものです。
システム構成図は図1の通りです。
本システムはインターネットに接続されたECHONET Lite Web API Server(以下サーバーと略します)、ECHONET Lite 機器をサーバーに接続するためのCloud Gateway1(以下ゲートウェイと略します)、スマートフォンアプリやクラウドサービスなどのクライアントで構成されます。
クライアントはEL Web API を利⽤してサーバーにリクエストを送信します。サーバーは受信したリクエストをECHONET Lite 相当のリクエストに変換し、クライアントに対応するゲートウェイに送信します。ゲートウェイは受信したリクエストからECHONET Lite命令を作成して ECHONET Lite 機器の操作を⾏います。
現在このECHONET Lite Web API実証システムは、エコーネットコンソーシアム会員企業によるβテストを行っており、企業間の連携による新たなサービスの実現への貢献を目指しています。
参考:ECHONET Lite Web APIの企業採用実例(実証システムとは関係ありません)
関西電力様の「家電制御サービス はぴリモ+」において、三菱電機製のエコキュートを操作する技術にECHONET Lite Web APIが採用されています。
出所:関西電力Webサイト
https://kepco.jp/miruden/servicetop/useful/smarthome