【KAIT産学官連携メルマガ】看護学科特集(2025年1月10日号)

※本メールマガジンは、神奈川工科大学(KAIT)が主催するシンポジウム等に参加された方、展示会等で名刺交換させていただいた方、関係機関の方々に配信しております。
※配信先の変更・停止をご希望の方は、末尾をご参照ください。

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 目次
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【1】新着ニュース
【2】YouTube「神奈川工科大学 研究推進機構チャンネル」
【3】研究・技術シーズ紹介(看護学科) 
《基礎看護学》
 ●看護基礎教育における教育力に関する検討
《地域・在宅看護学》
 ●社会保障制度に関する研究
《成人看護学》
 ●Mass gathering医療に関する研究
 ●重症度、医療・看護必要度に関する研究-急性期の患者を適正に評価するために-
 ●進行がん患者の日常生活を支えるために
《老年看護学》
 ●看護職者の離職予防を目指して-ワーク・エンゲイジメントに着目して-
 ●高齢者のQuality of Deathに関する研究
 ●子育て中の看護師が就業継続するプロセスの研究
《小児看護学》
 ●先天性無痛無汗症患児のセルフケア確立と家族への支援の研究
 ●精神疾患や精神的課題のある子どもへの早期介入
《母性看護学》
 ●母子歯科保健予防対策の標準化に関する研究
 ●成人女性の姿勢と身体の不調との関連に関する研究
《精神看護学》
 ●精神障害者に対する終末期支援と意思決定に関する研究
《看護管理学》
 ●看護職のリーダシップ行動評価尺度日本語版作成・評価
 ●在宅療養者のヒヤリハットと有害事象に関する研究

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【1】新着ニュース
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■画像処理AI技術を用いた混合音からの特定音除去(ヒューマンメディア研究センター/情報工学科 教授 宮崎 剛)
https://www.kait.jp/tech_news/post_17.html

■イベント出展のお知らせ
「テクニカルショウヨコハマ2025」のセミナープログラムの1つとして「県内8大学 技術シーズ発表会」が開催され、情報工学科 宮崎剛先生が出展・発表します。

日時:2025年2月6日(木)13:30~16:30 (開場 13:00) 
会場:パシフィコ横浜 展示ホール2階 E24
内容:大学関係者によるプレゼンテーション、個別面談会、ブース展示等
対象:大学が保有する技術シーズの活用や産学連携コーディネーターとのつながりに関心ある企業
参加費:無料
申込:必要(申込期限:2月3日17:00 会場定員:80名)
申込フォーム:https://info.boy.co.jp/n/form/calb/93BKGv-LHbFud5Tw8UH-C
主催:かながわ産学公連携推進協議会・神奈川産業振興センター・横浜銀行
詳細URL:https://ssl4.eir-parts.net/doc/7186/ir_material33/241025/00.pdf
※本学の発表スケジュール:13:55~14:10 宮崎教授『ストリーミング用録画映像に混入した音声雑音除去技術』
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【2】YouTube「神奈川工科大学 研究推進機構チャンネル」
    https://www.youtube.com/@KikouKAIT
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今号の動画は、地域連携災害ケア研究センター/看護学科 奈良唯唯子准教授 
『第2回リサーチデー【オープンラボ紹介動画】地域の人々の命・暮らし・健康を守る―災害に強い看護学生を育成―』です。
※第2回リサーチデー(2024年4月開催当時)でのオープンラボ紹介動画です。
https://youtu.be/Py8Z4kz4xyo?feature=shared

機構のX(旧Twitter)はこちらへ
神奈川工科大学研究推進機構(@KikouKAIT)/ X

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【3】研究・技術シーズ紹介
  《特集》看護学科 
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《基礎看護学》
●看護基礎教育における教育力に関する検討
基礎看護学領域 助教 川田恵利子

近年、地域医療構想に基づく医療提供体制と地域包括ケアシステムの構築により、看護職の役割や活動場所の多様化が進んでいます。看護職には、様々な場面で人々の身体的、精神的、社会的状況をアセスメントし、状況に応じた適切な対応ができる看護実践能力が求められています。看護実践能力を高めるため、看護基礎教育における技術演習や臨地実習の充実は必要不可欠であり、教育力や教育手法が問われています。携わっている看護技術教育では、教師が自らの知的技能と運動技能をアセスメントし、看護技術教育をしていく必要があるため、学生の看護に対する関心や意欲、看護観を深められるような看護基礎教育の探求を続けたいと考えています。
https://www.kait.jp/research/navi/kawata.html

《地域・在宅看護学》
●社会保障制度に関する研究 
地域・在宅看護学領域 教授 西田幸典

超高齢社会を迎えたわが国では、「治療は病院で」、「治療後の療養は自宅で」という流れに変わってきています。しかし、自宅での療養には多様なニーズがあり、それに応えるためには多様な社会保障サービスが必要になってきます。私は、この社会保障サービスの充実に向けた政策研究を行っています。また、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を活かして、在宅療養における様々な社会保障サービスに関する情報の提供活動(講演・勉強会)も行っています。さらに、医療的ケアに関する介護職・看護職向けの社会保障制度に関する研究 研修にも携わっています。この他、看護学と法学の知識を活かして、病院前救護体制のあり方に関する研究や講演活動も行っています。
https://www.kait.jp/research/navi/nishida.html


《成人看護学》
●Mass gathering医療に関する研究
成人看護学領域 准教授 奈良唯唯子 

Mass Gathering医療は海外では救急医学の1分野として確立し、論文発表も多く定性的システマティックレビューを始め、メタ解析の報告も散見されます。本邦では災害医療の1部分としてとらえられていることが多く、論文発表は少なく、Mass Gathering医療として、定性的システマティックレビューのみでメタ解析が行われていないため、十分な議論がなされないのが現状です。Mass Gatheringはイベント中に過剰な医療供給を必要とした場合、開催地の地域医療システムに多くの負担を強いるため、地域の医療破綻や救急対応の欠如から一次的な医療崩壊になる可能性があり、イベントごとに異なる背景に対応した対策を行い、イベントの開催における危機管理をする必要があります。本研究は、Mass Gathering医療が確立できない要因として、様々なイベントタイプ、イベント特性、危険因子などが挙げられ、報告を困難にしていることが考えられます。そのため、危機管理の体制と今後のMass Gathering医療の充実を図るために必要な統一した報告様式について検討します。
https://www.kait.jp/research/navi/nara.html

●重症度、医療・看護必要度に関する研究-急性期の患者を適正に評価するために-
成人看護学領域 講師 久松桂子

我が国は団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据え、現在の医療提供体制と将来推測される医療需要のバランスを調整する医療政策に取り組んでいます。7対1看護体制の病床を9万床削減することを目標にし、看護必要度はその算定要件であることから診療報酬改定ごとに変更されています。患者を正確に評価する必要がありますが、様々な立場から急性期にある患者像をより反映するための課題が議論され続けています。特に患者の状態をあらわすB評価項目は、評価者である看護師の意見が反映される必要があると考えております。看護師が急性期の患者をどう捉えているかを調査し、その結果を基に改良された評価表作成を目指し研究に取り組んでいます。
https://www.kait.jp/research/navi/hisamatsu.html

●進行がん患者の日常生活を支えるために 
成人看護学領域 講師 窪田光枝

近年、がん医療の飛躍的な進歩により個別化治療が発展した結果、がん患者がたどる経過は複雑化し、多様になっています。進行がんと診断された患者も生存期間が延長しており、治療を続けながら地域で暮らす方が増えています。このような患者の療養生活は過酷な経験を繰り返すにも関わらず、その知見が少ないため十分な支援に至っていません。そこで、新規治療によって延長された期間を生きる進行がん患者の経験について、当事者の視点から明らかにする質的研究に取り組んでいます。さらに、日常生活を詳細に理解するために混合研究にも着手しています。当事者の方の視点を大切にしながら、よりよく生きることをサポートする支援の在り方を探求しています。
https://www.kait.jp/research/navi/kubota.html


《老年看護学》
●看護職者の離職予防を目指して-ワーク・エンゲイジメントに着目して-
老年看護学領域 教授 金子直美

日本では看護職の離職率が非常に高く、看護師不足が続いている状況にあります。離職を予防する取り組みとして知識を教授する研修などが行われていますが、効果はあまり見られていません。その原因として、ネガティブな部分を補うためのプログラムが多いことが考えられます。そのため、「ワーク・エンゲイジメント」に着目した職務継続を促すプログラムの開発を目指しています。ワーク・エンゲイジメントとは、「仕事に関するポジティブで充実した状態」と定義されており、1990年代より職場における組織および個人の活性を促すことが期待されて使われはじめた言葉です。このポジティブな部分に着目し、各々の持つ力を発揮できるよう関わることで、離職予防の実現を目指しています。
https://www.kait.jp/research/navi/kaneko.html

●高齢者のQuality of Deathに関する研究
老年看護学領域 講師 佐口清美

2040年に日本の年間死亡者数が160万人を超え多死社会のピークを迎えるといわれています。死に直面する場面が増えることで、より多くの人が死について考えさせられるようになっています。国民の最期の迎え方への関心の高まりは、「住み慣れた自宅で、自分らしく好きなように過ごせること」です。専門職に期待されることは、ターミナルケアにおいて、その方の人生の最期をいかにその人が生命を持つ個人としての尊厳を保ちつつ、安らかに死を迎えられることを意味するQuality of Deathを支援することにあります。そのため、医療・福祉の側面からの研究を進めています。
https://www.kait.jp/research/navi/saguchi.html

●子育て中の看護師が就業継続するプロセスの研究
老年看護学領域 助教 新井望美

ひと昔前までは結婚や出産が退職の契機となっていましたが、近年結婚出産後も働き続ける女性が増加しています。看護職においてもその傾向が強くみられていますが、結婚出産後に急性期病院を退職する、パートに変更するなど環境を変化させながら就業継続する看護職も多く、こうした看護職は仕事での役割と家庭での役割に時に板挟みになりながら働いています。しかしながら、これらの役割経験を互恵関係とする「ワーク・ファミリー・エンリッチメント(WFE)」を得て就業継続している看護職もいます。看護職のWFEを可視化し、家庭も仕事も楽しく続けるための研究を行っています。また、失語を伴う若年性左被殻出血患者の危険行動予測をアイトラッキングにて明らかにする研究にも着手したいと考えています。
https://www.kait.jp/research/navi/arai.html


《小児看護学》
●先天性無痛無汗症患児のセルフケア確立と家族への支援の研究
小児看護学領域 教授 浜邉富美子  

先天性無痛無汗症という生まれつき汗をかけない、痛みを感じることができない稀少難病の患児と家族に20年以上かかわらせていただきながら、支援やセルフケアの研究をしています。本疾患の患者さんは、成長・発達にともない様々な二次合併症が出現します。発汗できないことから体温の調節が難しく、皮膚のバリア機能の低下があります。痛みを感じないことから潜んでいる病気の発見が遅れる、度重なる骨折などから運動器の障害も出てきます。生命・生活の質(Quality of Life)を向上するためには、身体を守るセルフケアの確立が必要ですが、知的障害もあることから困難なことが多く、ご家族の方と試行錯誤しながら成功例を分析して、患者会を通して発信しています。
https://www.kait.jp/research/navi/hamabe.html

●精神疾患や精神的課題のある子どもへの早期介入
小児看護学領域 講師 欠ノ下郁子

現代における社会の変化に伴い、子ども達の精神疾患や精神的課題が増加しています。これらの課題は、社会で解決すべきことと医療で解決すべきことが含まれているため、早期に発見し多職種で支援を行うことが必要となります。精神疾患や精神的課題のある子どもへの早期介入は、精神疾患の慢性化や重症化を防ぐのみならず、二次障害を予防し、子ども達が望む生活の実現に貢献します。しかし、精神疾患や精神的課題のある子どもへの早期介入には課題が多くあります。そのため、子ども達を取り巻く大人が連携して精神疾患や精神的課題のある子どもへの早期介入が実現できるよう、医療のみならず、学校、家庭、社会全体の課題を明らかにする研究を行っています。今後は明らかになった課題から、学校と医療の連携を中心とした早期介入システムの構築に貢献できる研究を行いたいと考えています。
https://www.kait.jp/research/navi/kakenoshita.html


《母性看護学》
●母子歯科保健予防対策の標準化に関する研究 
母性看護学領域 教授 前山直美

高齢化・長寿社会に対応した生涯にわたる歯科保健対策の必要性が指摘されています。母子歯科保健は、母体の健康とともに次代を担う子供たちの健康づくりの基盤となる最初の重要なステップです。母体の口腔保健の向上は、本人だけでなく生まれてくる子供や家族に対しても影響が大きく大変重要です。研究者は母子歯科保健を推進するシステムや教育、組織的体制など関連要因を発展させる目的で母子歯科保健予防対策の実態と動機づけに影響する要因を明らかにしました。現在は母子歯科保健予防対策の標準化に向けた取り組みと母子歯科保健を推進する効果的な連携システムの構築などの研究を進めています。
https://www.kait.jp/research/navi/maeyama.html

●成人女性の姿勢と身体の不調との関連に関する研究
母性看護学領域 講師 上田恵

成人女性において腰痛をふくめた身体の不調の訴えが多く、姿勢との関連があるといわれています。また、姿勢変化による腰痛や頭痛など身体への影響は男性よりも女性に大きいことが知られています。近年の姿勢に関する動向として、高齢者を対象としては姿勢を保ち、疾病の予防のための取り組みは散見されていますが、成人女性を対象に姿勢と身体的不調に関する取組はまだ少ない現状です。そこで「女性の姿勢」をキーワードとし、成人女性に対して、姿勢の変化や姿勢評価の検討に取り組んでいます。女性にとって、日常生活での健康が創られ、維持されるために貢献できるような支援を目指して研究を進めています。
https://www.kait.jp/research/navi/mueda.html


《精神看護学》
●精神障害者に対する終末期支援と意思決定に関する研究
精神看護学領域 准教授 田代 誠

現代の精神科病院は、早期治療・早期退院を目指し、地域生活が継続できるように取り組んでいます。しかし、地域へ退院することなく長期入院となっている患者も多く存在します。この患者らは高齢化し精神科病院の中で亡くなることが増えてきました。患者らは精神障害や認知機能障害、重要他者の不在など多くの要因から自分の夢や希望が叶う終末期を迎えることができません。そこで、よりよいエンド・オブ・ライフケアが提供できるよう人生最終段階に向けた意思決定支援について研究しています。具体的には、将来の治療や療養について患者(家族)と医療従事者らがあらかじめ話し合う自発的なプロセス(アドバンス・ケア・プランニング)について精神科病院内で実践するためのシステム構築について研究を進めています。
https://www.kait.jp/research/navi/tashiro.html


《看護管理学》
●看護職のリーダシップ行動評価尺度日本語版作成・評価
看護管理学領域 特任教授 新実絹代

昨今の保健・医療・福祉においてチーム医療が推進されており、看護職には多職種連携におけるキーパーソンの役割が期待されています。その役割を担うスキルとしてリーダシップ力は必須といえます。看護職のリーダシップを評価する実効性の高い尺度は少ない現状があります。そこで、米国版の「The Student Leadership Practice Inventory, Observer Instrument, 2nd Edition」(以下、SLPI)を用いて、看護職のリーダシップ行動測定尺度の日本語版を作成し、信頼性と妥当性を検証し公表しました。現在、本学の4年次生と看護生涯学習センター「ファーストレベル研修」の受講者を対象に、実習や研修前後のリーダシップ行動評価を実施し分析に取り組み一部公表しています。センター事業による看護管理者育成や外部の看護管理教育機関の講義も多く担当しております。
https://www.kait.jp/research/navi/niimi.html

●在宅療養者のヒヤリハットと有害事象に関する研究
看護管理学領域 講師 泉山由美子

在宅療養における看護は、地域に暮らす人々が生活を継続できるよう、安全なケアを提供する役割があります。しかし、訪問看護は、単独で訪問し、訪問時間の制約や次回訪問までの間隔が空く等の特徴があり、これらの特徴を捉えたリスクマネジメントとセーフティマネジメントが重要です。そのため、研究者は、訪問看護師の医療的ケアと療養上の世話のプロセスにおいて、訪問看護記録から在宅療養者のヒヤリハットと有害事象を把握するための研究を行っています。現在は、訪問看護記録スクリーニング基準を作成し、その妥当性の検証を行い、地域における安全性の高いケア提供システムの構築に向けて研究を進めています。
https://www.kait.jp/research/navi/izumiyama.html


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