【KAIT産学官連携メルマガ】工学部 機械工学科特集(その1)(2024年11月8日号)
※本メールマガジンは、神奈川工科大学(KAIT)が主催するシンポジウム等に参加された方、展示会等で名刺交換させていただいた方、関係機関の方々に配信しております。
※配信先の変更・停止をご希望の方は、末尾をご参照ください。
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目次
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【1】イベント情報
【2】新着ニュース
【3】YouTube「神奈川工科大学 研究推進機構チャンネル」
【4】研究・技術シーズ紹介(機械工学科)
●ロボット機構のキネマティクス
●超音波振動援用技術を用いた難削材の高精度研削・切削加工
●電動レーシングカートERK:Electric Racing Kartの開発
●オフセットローラー曲げ加工(低周波振動付与による加工限界の改善)
●車両運動と車体姿勢を独立に再現するドライビングシミュレータの開発
●上部集熱式熱サイホン
●心地よいヒューマン-マシンインターフェイスの開発
●V2X通信技術を活用した次世代測位技術
●熱機関の性能向上に関する研究
●深層学習による画像認識
●ネットワーク情報共有型AIモビリティの研究
●教育に活用する機械の検討
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【1】イベント情報
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■2024.11.11 特別公開授業(一般入場可・無料)
国際アニメーションデーinあつぎ
「クリエイターのキャリアとこれからのアニメづくり」
アニメ監督や制作をされているゲスト講師が神奈川工科大学で公開授業を行います。
公式サイトhttps://asifa.jp/iad24/
■障害者自立支援機器ニーズ・シーズマッチング交流会2024に、情報工学科が「読話トレーニングアプリ」「手話復習ツール」を出展いたします
(10/1~WEB開催実施中 11月大阪・12月東京会場にも出展)
★大阪会場にて講演あり
11/26(火)14:00-14:20『読話トレーニングアプリの紹介』
詳しくはhttps://cp.kanagawa-it.ac.jp/event/2537.html
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【2】新着ニュース
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■2024.10.11 環境中のプラスチックゴミを簡単に見つける方法を開発中(環境科学技術研究所/応用化学生物学科 教授 髙村 岳樹)
https://www.kait.jp/tech_news/post_13.html
■2024.10.24 神奈川工科大学スマートハウス研究センターが国立中央大学(台湾桃園市) 資訊電機学院、能源工程研究所との相互協力・連携協定を締結
https://www.u-presscenter.jp/article/post-54715.html
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【3】YouTube「神奈川工科大学 研究推進機構チャンネル」
https://www.youtube.com/@KikouKAIT
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今号の動画は、機械工学科 脇田敏裕教授が研究を進める
『「歩行者と協調する知能モビリティ」と「自動運転ロボカー」の実演』です。
※第1回リサーチデー(2023年3月31日開催)でのオープンラボ紹介動画です。
https://youtu.be/ABacCJB7CRk
機構のX(旧Twitter)はこちらへ
神奈川工科大学研究推進機構(@KikouKAIT)/ X
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【2】研究・技術シーズ紹介
《特集》工学部 機械工学科
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●ロボット機構のキネマティクス
ロボット機構学研究室 教授 有川敬輔
本研究室では、キネマティクス理論をベースとして、非定型的な構造を持つ様々なロボット機構の研究開発を行っています。例えば、テンセグリティ構造(棒材とワイヤーで構成される構造)とパラレル機構を組み合わせたロボットアームは、構造自体を折りたたむことが可能となっています。また、複数の動作モードを有する流体駆動のマニピュレータは、バルブ操作によって基本運動学特性を変更することが可能となっています。この他、ロボット機構のキネマティクス理論を応用し、タンパク質をはじめとする生体機能分子の運動解析の研究にも取り組んでいます。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/arikawa.html】
●超音波振動援用技術を用いた難削材の高精度研削・切削加工
精密加工研究室 教授 今井健一郎
切削や研削において、被削材の強度、硬脆性、耐熱性等は難削性に直結します。しかし、これらの機械的特性は材料としては有用です。本研究では、どうしたら加工を容易に行えるのかを実験的に試みています。例えば、研削ホイールの半径方向に超音波振動を援用する研削法では、ホイール作用面の砥粒を材料に衝撃的に働かせることで砥粒1つ1つの材料除去能力を高められると考えています。しかし、この高周波の方法では材料の除去機構の解明が難しいため、模擬的にダイヤモンドバイトを砥粒に見立てた低周波の振動援用切削加工を行い、除去機構の解明も目指しています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/imai.html】
●電動レーシングカートERK:Electric Racing Kartの開発
モータースポーツ工学研究室 准教授 岡崎昭仁
喫緊の課題である地球温暖化対策のために自動車、モビリティの電動化が急進展しています。電動車両はエンジン車両と比較して構成はシンプルに見えますが、電動システムのパッケージ技術、電池の寿命予測など課題は多いです。本研究室では、高速かつ高負荷、加えて軽量でコンパクトさが求められるERKの電動化を行うことで、主に小型モビリティの電動化技術開発を行っています。開発中のERKは、廉価な電動機とインバータを使用し、オリジナルな安全装置を組み込んだジャンクションボックスを搭載し、レースという過酷な環境下で電池の寿命予測技術開発などを推進しています。将来的に小型モビリティ用電動システムとして市場供試を目指して日夜研究開発に取り組んでいます。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/aokazaki.html】
●オフセットローラー曲げ加工(低周波振動付与による加工限界の改善)
モータースポーツ工学研究室 助教 加藤俊二
電気自動車等のアルミニウムスペースフレームに用いられる形材の曲げ加工は自動車の設計に合わせて、軸方向に曲率を変えて曲げる必要があります。そのための加工法として、スペースフレームをガイドローラーに通し、オフセットされたローラー(曲げローラー)に当て、曲げを行う加工法を提案しており、曲げローラーの位置を変えることにより、曲率を変えることができます。曲げ加工中に被加工材に生じる断面変形および曲げ内側のしわを低周波振動の加工力を付与することにより低減できることを実験的に明らかにし、加工限界の改善がはかれることを示しました。付与する低周波振動の周波数、振幅を変えて断面変形およびしわの抑制効果への影響を検討しています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/kikuchi.html】
●車両運動と車体姿勢を独立に再現するドライビングシミュレータの開発
車両運動・制御研究室 助教 狩野芳郎
一般的なドライビングシミュレータは、車両に発生する加速度を6軸リンクによる並進運動と傾斜により模擬するので、実車とは体感が異なります。そこで、本研究では6軸リンクに加えてリニアレールとヨーリングにより前後左右の車両運動と車体姿勢を独立して再現できるドライビングシミュレータを開発しました。これにより、走行中の車両姿勢がドライバーに与える影響について、ドライバパラメータ同定手法と生体反応計測等を用いて明らかにしています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/yamakado.html】
●上部集熱式熱サイホン
ソーラービークル研究室 助教 川口隆史
太陽熱を利用する熱サイホンの研究を行っています。外部電源を使わずに熱移動できる熱サイホン、特に屋根の上に設置した太陽熱集熱器から地上に熱エネルギーを移動することを目的にした上部加熱式(トップヒート式)熱サイホンに注目し、構造が比較的簡単な蒸気泡ポンプ方式により実証実験を行ってきました。この方式は1970年代より研究され、プレハブのモデルハウスに設置した熱サイホンにより高低差4mの循環を実現するとともに小規模の発電ができることを実証しました。しかし屋外に設置したモデルハウスによる実証実験では、朝や夕方の太陽熱が少ない状況において、熱の移動、すなわち作動流体の循環が間欠的となる問題が残されています。この間欠的な流動は太陽熱集熱器での突沸等システム故障の原因となります。安定した熱移動を実現するため、エナジーハーベストによる電力を用いた制御システムを開発しています。現在、制御を実現するために管内圧力を下げることを提案し、小規模な実験装置で作動流体の間欠的な循環を安定化できることを確認しました。今後、実機レベルでの運用を目指します。
また、競技用ソーラーカーの機器類の温度や振動を中心とする耐環境性能についても調査を進めています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/tkawaguchi.html】
●心地よいヒューマン-マシンインターフェイスの開発
振動システム実験室 教授 川島 豪
人の生活空間に機械が入るにつれ、危険を避けるために機械の不調などを素早く察知する必要があります。そこで本研究室では、振動や揺れの「ゆらぎ」に注目、どのような振動や揺れを用いれば心地よいヒューマン-マシンインターフェイスを構築できるのか明らかにしています。自然界の心地よいゆらぎに関しては、武者利光先生が「1/fゆらぎ」を提唱しています。しかし、「1/fゆらぎ」を人工的に創っても必ずしも心地よくありませんでした。そこで、その他の要因を究明するため、心地よく歩行している時の体の揺れを測定して周波数分析し、AIによりどのような特徴を用いて判別しているのか確認しています。この研究により多くの情報を心地よく伝達可能になることを期待しています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/kawashima.html】
●V2X通信技術を活用した次世代測位技術
コネクテッド・モビリティ研究室 教授 菊池典恭
V2X(Vehicle-to-Everything)通信は、車両とその周囲の環境との間の情報交換を可能にする技術です。この通信技術を利用して、高精度な位置情報を取得する測位技術が注目を集めています。V2X通信の電波を用いた測位は、従来のGPSよりも高精度で迅速に位置情報を取得することが可能です。都市部などの高い建物やトンネル内など、GPSの受信が難しい場所でも、V2X通信を利用することで正確な位置情報の取得が期待されます。さらに、車両同士の相対的な位置関係や速度、方向などの情報もリアルタイムで交換することができるため、交通事故の減少、交通流の最適化、駐車場の効率的な利用など、多岐にわたる利点をもたらします。本研究室では安全かつ効率的な交通環境の実現のため、V2X通信を活用した測位技術の研究を進めてまいります。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/kikuchi.html】
●熱機関の性能向上に関する研究
熱機関工学研究室 准教授 小池利康
産業現場で必要とされる環境・エネルギーに関する技術や課題を研究テーマとしています。例えば、「小型ガスタービンの性能計測計算,性能向上の研究」、「回り灯篭の熱力学的考察と実験」、「組立式防音ブースの製作と性能計測」、「実在気体の圧力・容積・温度(PVT)関係の3Dモデルの作成・研究」などを実施しています。近年、自動計測・制御化が進み、短時間に大量のデータを採取・計算することが可能となり、試験中に試験結果を確認して評価することも可能となってきています。測定の「不確かさ」も試験中瞬時に解析・評価し、不確かさの大きな測定項目を特定して「評価試験の信頼性を改善すること」も研究テーマに取り入れています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/tkoike.html】
●深層学習による画像認識
構造動力学研究室 教授 小机わかえ
近年、AI(人工知能)が注目されています。小机研究室では以前からニューラルネットワークを使った、欠陥同定や構造同定を試みていましたが、今回のAIブームでは、基本アルゴリズムがニューラルネットワークを発展させたものであることに着目して、音声認識や画像認識にAIのアルゴリズムを構成する深層学習を応用することを試みました。昨年度は、深層学習を用いて、絵画の認識及び人間の顔の認識を行いました。いずれもそれなりの結果は得られましたが、汎用性を得るまでには至りませんでした。使用するデータ量やコンピュータの限界と考えられます。今年度は、動物の画像の認識、特に猫の画像が認識できるかどうか調べています。また、筆跡鑑定にも応用できるかどうかに挑戦しています。両方とも、学習データの数を増やし、また深層学習における繰り返し回数を適切に設定すれば、かなり認識できることがわかりました。もっとも、深層学習のプログラムをもう少し精密に検討しないと、正確な結果が得られないこともわかりました。今後、その点を詰めていく予定です。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/kozukue.html】
●ネットワーク情報共有型AIモビリティの研究
知能モビリティ研究室 助教 小宮聖司
AI自動運転や障害物回避等各種機能と作業目的を持ったモビリティがそれぞれ取得した情報をクラウド上で共有し相互活用することで統合された効率的なモビリティ運用を目指しています。
また、自動運転技術は、自動車事故低減、公共交通の充実、物流現場における人手不足解消、Maas等社会からの期待が大きく、さらなる技術向上と普及が重要となっている事から、車両製作、回路配線、運動制御、自動運転を総合的に実習・修得できるよう、自動運転学習支援教材の開発と実践を行っています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/wakita.html】
●教育に活用する機械の検討
教育機械工学研究室 教授 佐藤智明
本研究室では、教育に活用する機械の開発および検討を主な研究テーマとしております。工学教育で活用する機械としては、教材用スターリングエンジンについて、その安全性や効果的な見せ方について検討しています。また、LEGOなどの玩具の教育活用も含め、構造を理解させるためのオリジナルのブロック教材の開発も行っています。更には、ロボットを用いた子供の情操教育、創造性教育、課題解決教育に貢献するロボットに関する検討を行っています。加えて、教育や啓蒙に活用する機械という意味においては、機械技術の遺産も教育機械の一種であると考え、機械技術の歴史的価値に関する調査研究および技術遺産のCG化についても検討しています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/tsato.html】
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