【KAIT産学官連携メルマガ】情報ネットワーク・コミュニケーション学科(2023年12月22日号)

※本メールマガジンは、神奈川工科大学(KAIT)が主催するシンポジウム等に参加された方、展示会等で名刺交換させていただいた方、関係機関の方々に配信しております。
※配信先の変更・停止をご希望の方は、末尾をご参照ください。

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 目次
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【1】新着ニュース
【2】KAIT機構チャンネル「エッジとクラウドの連携による8K超高精細映像処理システムの実現」
【3】研究・技術シーズ紹介(情報ネットワーク・コミュニケーション学科)
 ●次世代高速通信網におけるトラフィック特性解析
 ●バーチャルリアリティの応用と人間工学的評価
 ●誰にとっても「使いやすい」ネットワーク社会を目指して
 ●情報技術を活用した情報とモノの流れの特徴解析による人の支援
 ●デジタルサイネージへの情報埋め込み技術に関する研究
 ●安全で使いやすい環境適応型認証技術の開発
 ●免疫的攻撃検知によるスマート公共サービスの強化に関する研究
 ●情報セキュリティの情報バリアフリー化の研究
 ●無線マルチホップネットワークの効率化・省電力化に関する研究
 ●マルチメディア情報処理に関する研究
 ●ネットワークを自ら作って自ら動かす!!実践的ICT研究・教育
 ●相関利用型情報ハイディングに関する研究
 ●広帯域・低遅延リアルタイム配信処理プラットフォームの実現に向けて
 ●未病改善支援のあり方と支援システムの開発

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【1】新着ニュース
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★プレスリリース★
IoT機器をウイルスの脅威から守りたい ー IoTウイルスのライブラリ関数を正確に特定するツールの開発と公開
https://cp.kanagawa-it.ac.jp/press/1769.html

■ENEX2024に神奈川工科大学スマートハウス研究センターが出展します
https://www.kait.jp/news/post_55.html

■酵素の巧みな反応機構を利用したタンパク質性カプセルの開発 ―バイオ×工学の材料開発―
https://www.kait.jp/tech_news/post_1.html

■女性の性周期を簡単・正確にとらえる ―性周期の体調に合わせた食事摂取の在り方の検討にむけて―
https://www.kait.jp/tech_news/post_3.html

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【2】YouTube「神奈川工科大学 研究推進機構チャンネル」
https://www.youtube.com/@KikouKAIT
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今号の動画では、情報ネットワーク・コミュニケーション学科 丸山充教授が進める「エッジとクラウドの連携による8K超高精細映像処理システム」を実現するための研究を紹介しています。
※第1回リサーチデー(2023年3月31日開催)でのオープンラボ紹介動画です。
https://youtu.be/as3M9SA_ds8

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【3】研究・技術シーズ紹介
  《特集》情報ネットワーク・コミュニケーション学科 
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●次世代高速通信網におけるトラフィック特性解析
情報システム評価研究室 准教授 井家 敦

ネットワークのさらなる高速・大容量化を実現させるため、近年これまでのインターネットの概念とは大きく異なったアーキテクチャの考案が進められています。それに伴いネットワーク内に流れるトラフィックの特性が大きく変化することが予想されます。私の研究は、将来的にも利用者が満足できるインターネット管理・運用ができるよう新たなインターネットのトラフィック解析技術の提案とその評価です。これらの研究成果により、実際のネットワーク導入に際し、効率よくその性能を見積もることが可能となります。
https://www.kait.jp/research/navi/inoie.html


●バーチャルリアリティの応用と人間工学的評価
立体映像メディア研究室 教授 井上哲理

高性能HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を用いた仮想空間体験など、バーチャルリアリティ技術は、さまざまな分野への応用が期待されています。バーチャルリアリティ技術では、ユーザである人間に関する(ヒューマンファクタ)部分も重要な研究テーマです。我々の研究室ではHMDを用いた映像情報ディスプレイを中心に、没入感の高い仮想空間映像の要因、HMDの利用が視覚系に与える負担などを人間工学的手法で評価することを主な研究テーマとしています。
また、バーチャルリアリティ映像の特徴を他分野へ活かす応用研究も進めています。現在、バイオサイエンス分野の研究・教育への応用研究を同分野の研究者と行っています。
https://www.kait.jp/research/navi/tinoue.html
https://www.kait.jp/topics/senryaku/member/inoue.html


●誰にとっても「使いやすい」ネットワーク社会を目指して
コミュニケーションソフトウェア研究室 准教授 岩田 一

現代社会はスマートフォンの普及によって、誰でも簡単に情報発信を行えるようになりました。しかし、安易に自分の個人情報やふざけたメッセージ・写真などをインターネットに公開した結果、大きな騒動になってしまうことがあります。また、真偽不明な情報に惑わされ、詐欺や犯罪に巻き込まれるケースも増えています。そのため、現代のネットワーク社会に合わせた、適切な情報収集・情報発信の方法を指導する、情報倫理教育の重要度が上がってきていますが、特に十代前後の若年層向けの教育はまだまだ不十分と言えます。私の研究室では、皆が安心してネットワークを使用するための教育について研究を行い、誰にとっても「使いやすい」ネットワーク社会となることを目指しています。
https://www.kait.jp/research/navi/iwata.html


●情報技術を活用した情報とモノの流れの特徴解析による人の支援
応用情報システム(自律、モノの流れ、音楽)研究室 教授 臼杵 潤

日々発展する情報技術によって人々の活動は様々な場面で支えられています。このような中、当研究室では情報とモノの流れに着目したデータ解析をベースに、人々の活動を支援するシステムの実現を模索しています。具体的には、人が空中に文字を書く空書動作の認識による機器類の感覚的操作に関する研究、コンピュータやロボットの自律化による機器間の協調作業と作業分担交渉に関する研究、任意の目的で移動する人の歩行ナビゲーションと満足度に関する研究、音楽理論と感性を用いた鍵盤楽器の演奏評価と演奏練習支援に関する研究などに取り組んでいます。
https://www.kait.jp/research/navi/usuki.html


●デジタルサイネージへの情報埋め込み技術に関する研究
ソフトウェア科学研究室 助教 海野 浩

電車内、屋内外など様々な場所でデジタルサイネージを用いた情報伝達が行われています。デジタルサイネージは表示コンテンツの切り替えが容易であるなど、紙媒体にはない利点があります。しかし表示文字が母国語の文字でない人に対してはその文字情報の意味を伝達することができないという、紙媒体と変わらない本質的な問題があります。この問題を解決するために、表示文字に対応する別の形式の情報を表示画像の中に不可視に埋め込み、その表示画像を携帯端末に組込まれたカメラを用いて撮像し、その撮像画像からその情報を抽出する技術に関する研究を行っています。これまでに時空間輝度変調法を用いた単一情報の埋め込み技術、時分割多重化法を用いた複数情報の埋め込み手法を提案し、それらの実現可能性の検証を行いました。現在、情報が高密度に埋め込まれた場合におけるその情報の不可視性・可読性の検証、および不可視性・可読性を高める手法について取り組んでいます。
https://www.kait.jp/research/navi/unno.html


●安全で使いやすい環境適応型認証技術の開発
ネットワークセキュリティ研究室 教授 岡崎美蘭

一般的にユーザ認証技術では、安全性とユーザビリティがトレードオフになっており、安全性を考慮して複雑なパスワードを含めていくつかの認証技術を組み合わせて利用しようとするとユーザの記憶負荷が増大し、利用者から使ってもらえない課題があります。当研究室では、ユーザの置かれた環境に応じて簡単な認証から複雑な認証方式に自律的に切り替えられる、安全で使いやすい環境適応型認証技術の研究・開発を行っています。すなわち、ユーザが常に身に着けて持ち歩くスマートフォン、スマートウォッチ、タブレット端末などのセンサーから自動的に取得できる個人の歩行情報・GPS・WiFi情報に加えて、スマートウォッチを用いたユーザ固有のジェスチャー認証を機械学習により学習して本人認証を行うなど、老若男女の皆が安全で使いやすい環境適応型認証技術を開発しています。研究成果としては、特許出願はもちろん実用化に向けて様々な実験と評価を行いながら学会発表を実施しています。今後は、これらの技術をスマートホームや自動運転におけるIoT機器のデバイス認証に応用していく予定です。
https://www.kait.jp/research/navi/mokazaki.html
http://okalab-kait.jp/


●免疫的攻撃検知によるスマート公共サービスの強化に関する研究
コンピュータウイルス対策研究室 教授 岡本 剛

スマートシティは公共サービスを効率化する一方で、公共サービスがサイバー攻撃の標的となるリスクがあります。その最大の脅威は未知の脆弱性に対するサイバー攻撃です。なぜなら、未知の脆弱性に対する攻撃を検知できたとしても、その攻撃を防ぐ技術が確立されていないためです。本研究室では、からだの免疫のように、たとえ未知の攻撃を防止できなくても、二度目以降の類似の攻撃を未然に防止するという独創的な免疫的攻撃検知という技術を研究してきました。免疫的攻撃検知をスマート公共サービスに応用して攻撃に対する回復力を強化する技術を開発しています。最近ではMQTTバージョン3に対応させ99.72%の検出精度で攻撃を未然に防げることを確認しました。
https://www.kait.jp/research/navi/tokamoto.html


●情報セキュリティの情報バリアフリー化の研究
セキュア・バリアフリー研究室 教授 岡本 学

「まさかこんな時代が来るとは」コロナ禍のいま、とてもよく使われる言葉です。これまで当たり前にできていたこと、たとえば銀行のATMで暗証番号を指で入れることすら「手指の接触」を考えると感染が懸念されます。消毒アルコールに濡れた指はタッチパネルに反応しにくい問題もあります。そこで新たな技術が必要になります。たとえば「足で暗証番号を入力する方式」です。この方式によれば接触部分は足だけですから、感染拡大の可能性を低減できます。そればかりではありません。この方式は腕の不自由な人にも利用できる「情報バリアフリー」な方式にもなっています。
https://www.kait.jp/research/navi/mokamoto.html
http://nmana.kanagawa-it.ac.jp/index.html


●無線マルチホップネットワークの効率化・省電力化に関する研究
モバイルネットワーク研究室 教授 塩川茂樹

地震や豪雨に伴う大災害時においては、ネットワークインフラが破壊されることで必要な情報の入手ができなくなることが十分に考えられます。そのような環境で効果を発揮するのがネットワークインフラを必要としない無線マルチホップネットワーク技術です。本研究では、無線マルチホップネットワークにおける情報伝達の信頼性や即時性といった効率の向上や、携帯機器などの限られた電力で稼動させるための省電力化に関する研究を行っています。またこれらの技術をIoTにかかせないセンサネットワークに応用し、環境センシングや機器の自動操縦に活かす研究も行っています。
https://www.kait.jp/research/navi/shiokawa.html


●マルチメディア情報処理に関する研究
マルチメディア情報処理研究室 講師 須賀弘道

映像や音声・音響信号から、ニーズに合う情報を抽出することにより様々な分野においてそのアプリケーションが期待できます。現在は、主として映像より人間の身体の動作や、着目した対象物体の動きを抽出する等の研究を行っていますが、今後は映像と共に音響信号の解析を統合することで、より高度な状況判断の実現を目指します。
https://www.kait.jp/research/navi/suga.html


●ネットワークを自ら作って自ら動かす!!実践的ICT研究・教育
分散ネットワーキング研究室 特任教授 瀬林克啓

インターネット誕生から4半世紀が経ち、ICT(Information and Communication Technology)は私たちの生活の中にすっかり溶け込み、だれでも簡単に使えて、普段はその存在自体を特に意識することもなくなりつつあります。しかしその反面、ICTの技術を理解し、進化させるための知識とスキルを持った技術者が不足しつつあり、その育成が急務となっています。本研究室では、主に1、2年生を対象として、学生自身が設定したテーマに主体的に取り組むPBL(Project Based Learning)の課外講座を開講し、ネットワーク技術とLinuxの習得と研鑽を支援しています。また、夏休みと春休みの期間にネットワーク技術者のベンダー資格(Cisco CCNA)の取得支援講座を開講し、実践的技術を習得した人材育成を行っています。丸山研と共同で研究開発を進めている非圧縮8K映像処理プラットフォームの外部との共同実験や展示会出展は、課外講座・取得支援講座の学生の実践の場となっています。
https://www.kait.jp/tech_news/2420.html
https://www.u-presscenter.jp/article/post-47891.html

研究においては、ネットワーク自動構築・制御技術、クラウド技術をベースに、クラウド環境とネットワーク環境(ICT環境)をユーザの要望に応じて設計、構築し、監視、更新する一連のライフサイクルの運用作業の自動化と知的制御を実現するネットワーク制御アーキテクチャを提案するとともに、本研究のケーススタディとして、クラウド上への学習支援環境の構築と多様なアクセス手段を用いた遠隔学習環境を構築し、講義やPBLの実施場所に対して適切な学修支援環境を提供する技術の実現を目指しています。
https://www.kait.jp/research/navi/sebayashi.html


●相関利用型情報ハイディングに関する研究
無線通信理論研究室 教授 鳥井秀幸

特定のディジタル情報を他のディジタルデータの中に隠蔽する技術を総称して“情報ハイディング”と呼びます。代表的な応用例は“電子透かし”と呼ばれる技術で、画像・映像・音楽などのディジタルデータに、人間には知覚困難なように著作権情報を埋め込む目的で利用されます。この他にも、ディジタルデータを用いた情報配信などにも応用可能です。情報ハイディングには様々な方式が存在しますが、当研究室では、情報の埋め込みに疑似乱数を使用する“相関利用型”と呼ばれる方式を研究しています。相関利用型の情報ハイディングでは、情報をデータの広い範囲に拡散して埋め込むため、各種の改変に対する耐性が高いという特徴があります。
https://www.kait.jp/research/navi/torii.html


●広帯域・低遅延リアルタイム配信処理プラットフォームの実現に向けて
ネットワークコンピューティング研究室 教授 丸山 充

本研究室では、クラウド設備やエッジコンピューティング(以後エッジ)を使って、ハイビジョンの16倍の画素数を持つ8K超高精細映像を非圧縮のまま編集・加工する技術に取り組んでいます。本技術は、最先端の映像編集に使えるだけでなく、医療用途として、高精細映像を使った高度な診断に役立てる技術として期待されています。2022年4月に国立情報学研究所(NII)が運営する学術ネットワークがSINET6に移行したことを機に、相模原DCに400Gbpsという広帯域ネットワークに接続されたエッジ実験装置を構築しました。2022年6月に実施されたInterop Tokyo 2022展示会では、全国に分散した複数の8K映像ソース(24Gbpsや48Gbpsの帯域)を用いて、エッジ装置において遠隔処理する事で、ネットワーク経由で8K映像を自在に切り替え、色変換を行い配信する実験に成功しました。また、2021年度からは本技術を発展させるため、大同大学、琉球大学、ミハル通信株式会社と共同で、情報通信研究機構(NICT)のBeyond 5G 研究開発促進事業のシーズ創出型プログラムの委託研究を実施しています。
https://www.kait.jp/research/navi/maruyama.html
https://www.u-presscenter.jp/article/post-47891.html


●未病改善支援のあり方と支援システムの開発
情報サービスシステム研究室 准教授 凌 暁萍

未病改善を共に進める目的で、437の企業や団体の賛同を得て、かながわ未病改善協力制度が創設されました。この制度は、「食」、「運動」、「社会参加」といった三つの分野における活動を想定しています。しかし、突如コロナ禍により、在宅時間が増え、運動不足、人と会う機会が急速に減って気分も滅入り、食生活も乱れがち、となってしまうケースが増えています。かながわ未病改善協力制度の実施活動も縮小しました。県は、運動は生活上で働くことを薦め、社会参加はメールや電話で人とのつながりを維持することを提唱していますが、どれも心身健康でなければハードルが高いです。未病改善協力の効果をあげるためには、疎外的な環境においての有効的な支援方法が求められています。そこで、本研究は会話を通して、情報収集・自己状況の把握・未病改善の実施・管理などを実現できるシステムを構想しました。本システムは求められている「食」、「運動」、「社会参加」を支援する「仲間」の役割を果たすうえ、未病を見える化にしてこころを癒す役割も果たします。現在、「未病改善の仲間」構想を提起し、とりわけ運動についてパーソナルトレーナに近い役割を果たす「トレーニング仲間」を提案し、試作中です。
https://www.kait.jp/research/navi/ling.html


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