【KAIT産学官連携メルマガ】応用化学科特集(2023年10月13日号)

※本メールマガジンは、神奈川工科大学(KAIT)が主催するシンポジウム等に参加された方、展示会等で名刺交換させていただいた方、関係機関の方々に配信しております。
※配信先の変更・停止をご希望の方は、末尾をご参照ください。

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 目次
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【1】新着ニュース
【2】KAIT機構チャンネル「環境と生態影響研究室」
【3】研究・技術シーズ紹介(応用化学科) 
 ●ケミカルループを利用した廃棄物処理システムの開発
 ●深海に生息する水素エネルギーを生み出す微生物の探索
 ●イソソルビドからの新規重縮合、重付加モノマーの合成と高性能バイオベースエンジニアリングポリマー及び耐熱性熱硬化性樹脂合成への展開
 ●セラミックスの低温焼結化と電子デバイス等への応用
 ●環境水の新規評価方法の開発
 ●リモネン誘導体の合成研究
 ●ヒダントイン誘導体の新規合成法の開発

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【1】新着ニュース
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■クラウドファンディング開始「夢の自動通訳機の実現に向けて ー 英語を学ばなくてもよい未来を!」
https://cp.kanagawa-it.ac.jp/news/1665.html

■CEATEC2023(10/17-20)に出展します
https://www.kait.jp/news/2527.html

■先進自動車研究所の井上秀雄 特任教授、別宮研究員がオランダ応用科学研究機構主催の駐日オランダ王国大使公邸レセプションに招かれました
https://www.kait.jp/news/post_5.html

■第4回 「AIが走らせる自動運転ラジコンカーレースKAIT Racer GP」を開催しました
https://www.kait.jp/news/2522.html

■長生きできる世界を目指して ―健康を守り、地球を守る―
https://www.kait.jp/tech_news/2519.html

■太陽熱を有効利用できる上部集熱式熱サイホンに関する研究
 ―シミュレータを開発し、研究のコスパとタイパを上げる―
https://www.kait.jp/tech_news/2511.html

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【2】YouTube「神奈川工科大学 研究推進機構チャンネル」
https://www.youtube.com/@KikouKAIT
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今号の動画は、応用化学科 高村岳樹教授の「環境と生態影響研究室」紹介動画です。
https://youtu.be/v_lsEohhDy0

神奈川工科大学「環境と生態影響研究室」では、海岸や河川でのフィールドワークを通じて、水棲生物に対するマイクロプラスチックの影響などの身近で深刻な環境問題に関する研究等を行っています。
また、河川水の簡易分析法の開発や、環境水からウイルスを回収する簡易な分析方法の開発など、オンサイトで試料を解析する研究も行っています。

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【3】研究・技術シーズ紹介
  《特集》応用化学科 
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●ケミカルループを利用した廃棄物処理システムの開発
資源エネルギーシステム研究室 准教授 大庭武泰

ケミカルループ燃焼法(chemical looping combustion)は、化石燃料の燃焼反応を2つの反応(金属酸化物中の酸素と燃料の反応、還元された金属と空気中の酸素との反応)に分けて行う方法です。この方法では二酸化炭素が分離された状態で排出されます。現在、この方法を廃棄物の処理に応用するための実証研究を実施中で、実現すると廃棄物から二酸化炭素とエネルギーの両方が得られることになります。
https://www.kait.jp/research/navi/ohba.html


●深海に生息する水素エネルギーを生み出す微生物の探索
環境化学・環境生物研究室 教授 齋藤 貴

極限環境である深海に生息している生物はいまだ未知の世界です。齋藤研究室では、調査研究用潜水艇により採取した深海の海底堆積物を培養して遺伝子解析を行い、クリーンエネルギーとしての水素を発生する微生物の探索を行っています。これまで、マリアナ海溝(水深数千m)の断層帯周辺について探索を行ったところ、水素ガスを代謝する複数の微生物を発見しました。圧力が非常に高い深海でも生きていて活動しているとは驚きです。アルコールを生産する微生物も同時に発見しました。現在、伊豆半島沖の水深数百mの海底火山があった海底について、地層中の微生物を分析中です。新種の微生物を見つけようと研究生は日々研究に取り組んでいます。
https://www.kait.jp/research/navi/saito.html


●イソソルビドからの新規重縮合、重付加モノマーの合成と高性能バイオベースエンジニアリングポリマー及び耐熱性熱硬化性樹脂合成への展開
高分子化学研究室 教授 三枝康男

脱石油依存を目指して、バイオベースポリマーの合成が急速な展開を見せています。デンプンより誘導されるイソソルビドは医薬品(利尿剤)として利用されていますが、これを共重合したポリカーボネートが軽量かつ破損し難いガラス代替品(フロントパネル)として一部のスマートフォンで採用されています。これまでに、イソソルビドより新しい重縮合モノマーとなる酸無水物へ誘導して、これより十分な耐熱性とフィルム強度、溶媒可溶性を持つ一方で、溶融可能でUV-Vis透過性のよい一連のポリイミドを合成したことについて報告してきました。その後の進展として、ビスマレイミドに例示される重付加モノマーを新たに合成して、ジアミンとの重付加反応によるポリアミノイミドの合成、さらにはこのオリゴマーを熱硬化させた耐熱性熱硬化性樹脂の合成へと展開を図っています。実用的見地からも両バイオベースポリマーの物性には興味が持たれるところです。
https://www.kait.jp/research/navi/ysaegusa.html


●セラミックスの低温焼結化と電子デバイス等への応用
ファインセラミックス研究室 教授 茂野交市

陶磁器などに代表されるセラミックスを製造するには通常約1300℃以上の高温で焼結(焼成)する必要があります。これをより低温で焼結できれば省エネルギー化に直接貢献することができます。私たちは1000℃未満でセラミックスを焼結する技術を開発し、さらにこの技術をスマートフォンなど電子デバイスの小型化などに応用することを目指しています。
https://www.kait.jp/research/navi/shigeno.html


●環境水の新規評価方法の開発
環境と生体影響研究室 教授 高村岳樹

環境水の汚染物質の評価を目的として、種々の化学スペシエーション分析方法を開発しています。また遺伝子組み換え微生物等を用いたバイオアッセイ、有用個体を用いた毒性試験、水生生物の遺伝子の多様性などを評価項目に加えた、環境水の総合的な評価方法を開発しています。
https://www.kait.jp/research/navi/takamura.html


●リモネン誘導体の合成研究
有機材料研究室 教授 森川 浩

リモネンは、非可食のバイオマス原料であり、柑橘製品加工の際に副産物としてとれるリモネンを有効利用できれば、とても意義深いとなります。また、リモネンなどのモノテルペン類は、それ自身でも抗菌性・抗炎症能などの生物活性があり、さらには、種々のジテルペン・セスキテルペン誘導体の原料物質として重要です。リモネンは、分子内に二重結合を二つ有しており、この反応性を巧みに利用することで、種々の機能団の導入が期待でき、生物活性的な側面からも、合成化学的な側面からも大変重要です。以上の視点から、リモネンを原料とした新規誘導体(低分子化合物)の合成を行っています。  
https://www.beilstein-journals.org/bjoc/articles/15/13
https://www.kait.jp/research/navi/morikawa.html


●ヒダントイン誘導体の新規合成法の開発
有機合成化学研究室 教授 山口淳一

ヒダントイン誘導体は、医薬品フェニトインに代表されるように中枢神経に作用する化合物群です。当研究室では、これとは別の構造をもつ新しいヒダントイン誘導体を合成し、抗がん活性を示す事を明らかにしています。このように大きな可能性を秘めたヒダントイン類ですが、新しい作用を見つけ、明らかにするには、新しい構造の化合物を創り出さなければなりません。新しい構造の化合物を創るためには、新しい合成法の開発が不可欠になります。当研究室では研究目的の1つとして、「ヒダントイン誘導体の新しい合成法」を開発することをターゲットにしています。すなわち、簡便かつ汎用性の広い合成法を世に出すのが目的です。
https://www.kait.jp/research/navi/yamaguchi.html


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