【KAIT産学官連携メルマガ】情報工学科特集 その2(2023年8月24日号)
※本メールマガジンは、神奈川工科大学(KAIT)が主催するシンポジウム等に参加された方、展示会等で名刺交換させていただいた方、関係機関の方々に配信しております。
※配信先の変更・停止をご希望の方は、末尾をご参照ください。
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目次
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【1】KAIT機構チャンネル「センサ情報とAIを用いた生活支援技術」
【2】研究・技術シーズ紹介(情報工学科)
●撮影写真プロファイリングによる観光地推薦システム
●学生の取組み状況を可視化するプログラミング演習支援システム
●クラウドコンピューティング及びFPGA技術を用いた人工知能システムの開発
●生成系深層学習モデルを用いた画像処理の高度化に関する研究
●実践的ソフトウェア開発に寄与するプログラミングおよびコーディング学習に関する研究
●人工知能の基礎理論から応用まで
●画像を使った声や音に関する研究
●画像・映像の認識・理解及び言語との協調に関する研究
●情報工学技術を用いたスポーツの競技力向上に関する研究
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【1】YouTube「神奈川工科大学 研究推進機構チャンネル」
https://www.youtube.com/@KikouKAIT
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今号の動画は、情報工学科 情報通信研究室 田中博教授の「センサ情報とAIを用いた生活支援技術」です。
・各種アラーム(熱感知器、ガス漏れ警報器など、計8種類)の音源識別
・動物(犬猫)の鳴き声やインターホンといった雑音の除去
・手話学習のための復習ツール
のデモを交えつつ、研究を分かりやすく紹介しています。
ぜひ、ご覧ください。
https://youtu.be/KGSfSnWxs5A
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【2】研究・技術シーズ紹介
《特集》情報工学科
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●撮影写真プロファイリングによる観光地推薦システム
データベースシステム研究室 教授 鷹野孝典
本研究では、ユーザが撮影した写真集合から、観光地についての嗜好性にもとづいて観光地推薦を行う研究を行っています。情報推薦システムは、日常生活の中で新たな知識や経験をみつけるために必要不可欠なものとなっています。一方、スマートフォンなどに搭載されているデジタルカメラを用いて思い出や体験を写真で撮影し、ソーシャルメディアを通じて他者と共有する機会も増えています。写真は情報量に富んでおり、言葉に表せない内容についても直感的に伝えることができるため、考え、意図、感情などを共有するのに適していると言えます。本研究では、このような撮影写真を分析対象としてユーザの興味を推定し、ユーザが今後関心を抱き体験してみたいと思う場所を推薦できる観光地推薦システムの実現を目指しています。
https://www.kait.jp/research/navi/ktakano.html
●学生の取組み状況を可視化するプログラミング演習支援システム
ソフトウェア工学研究室 教授 田中哲雄
本研究では、プログラミング演習における学生の躓きを早期に発見してタイムリーに指導できるようにすることを目的として、プログラミング演習支援システムを開発しています。本システムは学生向けにWeb上で利用できるプログラミング環境を提供します。また教員には学生の取組み状況をリアルタイムに判別し提示します。さらに、各学生の進捗やプログラムの作成過程、エラーの発生と対処の状況も提示します。本システムを受講生200名以上の実際の授業に適用し、学生の取組み状況と進捗の把握に有効であることを確認しました。今後、取組み状況の判別精度の向上、躓き箇所の特定方法・提示方法、および、学生へのフィードバック方法の確立を目指します。
https://www.kait.jp/research/navi/ttanaka.html
https://www.tntetsu-lab.cs.kanagawa-it.ac.jp/
●クラウドコンピューティング及びFPGA技術を用いた人工知能システムの開発
知識処理システム研究室 教授 陳 幸生
コンピュータに知的な活動をさせるため、人間が理解している意味をコンピュータ上で如何に表現でき、かつ高速的に計算できる課題の解決は重要です。本研究では、多次元ベクトルを用い意味を表現する方法を採用しています。多次元ベクトルを用いた意味の計算は、ベクトルの各々の要素に重み付けて、さらに重み付け要素の算術演算子を行う計算となっています。そのため、高速ベクトル演算に対応できるクラウドコンピューティング技術、及び、高速ベクトル演算装置を構成できるFPGA(Field-Programmable Gate Array)技術が意味の計算装置の構成に応用できるため、本研究では、クラウドコンピューティング及びFPGA技術を用いた人工知能システムの開発を実施しています。
https://www.kait.jp/research/navi/chen.html
●生成系深層学習モデルを用いた画像処理の高度化に関する研究
数理画像情報学研究室 教授 辻 裕之
近年の生成系深層学習モデルの進展は著しく、GANベースのGeneratorを用いることにより1024×1024画素レベルの高精細な画像を生成できるようになりました。また、StyleGANのように、潜在空間上で人物の表情を真顔から笑顔に変えるなど、従来の画像処理では難しかったセマンティックな画像操作を行う事例も見られるようになりました。
本研究では、実画像を潜在空間上にマップするEncoderを用いることで高精細なオートエンコーダを構築し、潜在空間上でセマンティックな画像処理を実現する手法の検討を行っています。
https://www.kait.jp/research/navi/tsuji.html
●実践的ソフトウェア開発に寄与するプログラミングおよびコーディング学習に関する研究
対話型システム研究室 教授 納富一宏
情報系専門教育課程では、産業界からの要請を受けて高度IT人材育成に向けた取組みが注目されています。特に、企業が期待するSEやプログラマが有すべき技能は、より先進的であることが望まれると同時に、従来からの実践的なプログラミングスキルも重要視されています。本研究では、新しい教育支援方式として、コーディングやプログラミングのスタイルの習得と実践を兼ねたオンライン方式でのコードレビューやペアプログラミングへの応用を可能とする「プログラミング時のキーボード操作の時系列情報を活用したコーディングスタイル学習」を実現する支援システムおよび情報共有を促進するSNSの開発を進めています。
また、プロトタイプを用いた有効性検証と進行モデルの改善を進めています。
https://www.kait.jp/research/navi/notomi.html
●人工知能の基礎理論から応用まで
知能情報処理研究室 教授 松本一教
人間と同等な知能(知性)を実現するためには、少なくとも3種類の異なった能力の実現が必要となります。それらは、帰納、演繹そして類推です。また、知能実現へのアプローチとして、記号計算主義とコネクショニズム(脳模倣主義)に分けることもできます。いま人工知能実現の技術として脚光を浴びているディープラーニングは、コネクショニズムにもとづくものであり、帰納や類推の実現に威力を発揮しています。しかし、演繹に関する能力を欠いており、この技術だけでは論理的な深度を持つ知能の実現は不可能です。そこで、当研究室では、記号主義とコネクショニズムの両者が共存する新たな人工知能の理論構築を目指しています。
https://www.kait.jp/research/navi/matsumoto.html
●画像を使った声や音に関する研究
画像情報処理システム研究室 教授 宮崎 剛
声や音の情報を画像に変換したり、また画像から音に戻したりする技術があります。声や音を画像情報に変換することで、これまでに研究されてきた画像処理に関する技術や深層学習(ディープラーニング)も活用できるようになります。深層学習を使って、雑音の含まれた音の画像データから雑音を取り除いたり、特定の声や音を抽出したりして、音情報に戻す研究をしています。また、音声情報の無い発話映像から画像のみで発話内容を推定する研究も行っています。オンライン会議での音声の明瞭化や背景音の除去、また音声が無い、抽出できなない映像からの発話推定等などへの活用を目指して研究を進めています。
https://www.kait.jp/research/navi/miyazaki.html
●画像・映像の認識・理解及び言語との協調に関する研究
メディア認識理解研究室 教授 森 稔
深層学習技術の発展により、画像や映像の内容理解のレベルが高まっていますが、環境が異なったり一部のデータしかない場合など、現実的な環境で高い性能を発揮するには、まだまだ解消すべきことがたくさんあります。また単一のメディア処理だけではなく、言語に基づいて画像を生成するなど、画像と言語の協調技術も重要になってきています。本研究室では、学習や認識・生成のアルゴリズムを多角的に検討・改良することを通して、より高度なメディア理解技術の実現を目指しています。
https://www.kait.jp/research/navi/mori.html
●情報工学技術を用いたスポーツの競技力向上に関する研究
スポーツ情報科学研究室 教授 谷代一哉
近年の情報工学技術の発展は目覚しく、それらはスポーツの分野においてもすでに使用され始めています。練習時の生体情報や運動動作、また試合中の選手の動きやフォーメーションなどを測定し、それらを数値化や視覚化し、選手たちに即時に還元(フィードバック)することも行われています。このことからアスリートにとっては、感覚的に行っているスポーツも改めて多くのことが明らかになりつつあります。現在、野球・サッカー・ラグビーおよびバスケットボールなどのスポーツを対象とした「試合結果」や「選手の動作・動き」などを解析し、そのデータから競技力向上の一助となる検討を行っています。
https://www.kait.jp/research/navi/yashiro.html
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