【出展報告】大学見本市2024 イノベーションジャパンに出展しました

 2024年8月22日~23日、東京ビックサイトにて「大学見本市2024~イノベーション・ジャパン~」が開催されました。

 大学見本市は、日本最大級の産学連携イベントとして国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が2004年より開催しています。全国の大学等機関から創出された研究成果の社会還元・技術移転を促進すること、および、実用化に向けた産学連携等のマッチング支援を実施することを目的とし、本年で21回目の開催を迎えました。

 本学からは、情報学部情報工学科 田中博教授『ストリーミング用録画映像に混入した音声雑音の除去サービス』と、工学部電気電子情報工学科 広井賀子教授『大規模言語モデルによるインタラクティブ薬剤情報提供マシン』が出展いたしました。

 2日間の総来場者数は11,000名を超え、本学のブースにも合わせて多くの見学者が訪れました。各研究室の学生も参加し、説明の補助を行い、海外からの来場者にも対応するなど奮闘していました。来場者の質問や関心の高さに触れ、新しい研究テーマに繋がりそうだという感想もあり、貴重な機会となりました。

【左の写真】右から、田中教授、研究室学生・松尾さん。【右の写真】松尾さんが来場者に説明する様子。

2日目:田中教授 ショートプレゼンの様子

【左の写真】右から、広井教授、研究室学生(遠藤さん、成田さん)。【右の写真】広井教授と成田さんが来場者に説明する様子。

出展内容について

■情報学部情報工学科 田中博教授■

『ストリーミング用録画映像に混入した音声雑音の除去サービス』
【出展分野】情報科学、情報工学
【技術概要】
 動画ファイルを画像と音声データに分離し、音声データに混入した雑音を取り除きます。予期せずに混入した不要な収録環境特有の雑音を、音声データに変換処理を適用して生成した画像群を用いて作成した深層ネットワークに入力して除去する手法です。深層学習では性能確保のために膨大なデータが必要となりますが、特許取得技術によってデータ数の制約のある中でも高い性能の確保とともに雑音除去モデルの小型化を実現しています。また、AI技術の進展によるネットワークモデルを適宜取り込むことによって、性能向上も容易に実現できることも特徴です。

■工学部電気電子情報工学科 広井賀子教授■

『大規模言語モデルによるインタラクティブ薬剤情報提供マシン』
【出展分野】健康・医療
【技術概要】
専門知識を持たない人がウェブや汎用の大規模言語モデルで薬剤情報を得ようとする場合、誤った情報や古い情報がある中、何が正しい情報か判断をするのは困難です。同時に、専門的な知識を持たない利用者からの質問は様々な形をとる可能性があり、高いコミュニケーション能力と専門知識の両方がなければ、真に必要とする情報を提供することは難しいと考えられます。そこで、大規模言語モデルに事後学習させることで、インタラクティブなコミュニケーション能力を備え、必要な情報に届きやすいモデルの生成に取り組みました。このような形でのAI利用が広まれば、災害時や夜間など、薬剤師などの専門技術者が不足している状況において、役立つことが想定されています。

今後はこの仕組みを利用し、暗黙知・経験知として発散が懸念されている知識を項目ごとに学習した大規模言語モデルの開発や、身近なユーザインタフェースとの接続機能を利用した具体的な展開を実現できるよう、研究、開発を続けてまいります。

 

▼本件に関する問い合わせ先
 神奈川工科大学 研究推進機構
 研究広報部門
 住所:〒243-0292 神奈川県厚木市下荻野1030
 TEL:046-291-3218
 E-mail:ken-koho@mlst.kanagawa-it.ac.jp