神奈川工科大学 eスポーツシンポジウム2022を開催しました 〜シンポジウムの内容をyoutubeで公開〜

主催 神奈川工科大学、NTT東日本、NTTe-Sports
後援 厚木市、日本音響学会スポーツ音響調査研究委員会

10月15日(土)13時より神奈川工科大学eスポーツシンポジウムが本学メディアホールにて開催されました.本シンポジウムでは「eスポーツを対象とした工学研究およびeスポーツを活用した地域活性化」をテーマに有識者による講演や意見交換を行いました.シンポジウム開催に関する記事は大学HPの別の箇所でも掲載していますので,ここでは研究をテーマとした議論に焦点を当て,その模様を紹介いたします.

まず冒頭の学長挨拶では,ITの教育研究に力を入れている神奈川工科大学として,eスポーツを教育研究の対象とすることでeスポーツのこれからの発展に貢献するべく,NTT東日本,NTT e-Sportsと3者連携協定を結んだという話がありました.続く基調講演では,横浜Fマリノスの武田氏より「eスポーツにおける『スポーツの力』とは」というタイトルで,横浜Fマリノスでの取り組み紹介からeスポーツの活動が社会に貢献できることまで幅広い視点でのお話がありました.

続いて神奈川工科大学の取り組みとして,本学eスポーツ研究センター所員による研究報告を行いました.まず,上田准教授より「eスポーツにおける聴覚情報の役割」についての報告がありました.カーレース競技やFPS(一人称視点のシューティング)競技を対象とし,競技内の効果音を有効に使うことが競技力にどう影響を及ぼすかについて,実験により検証しています.その結果,競技力上級者ほど音響を有効に使っていることが明らかになりました.次に岩田准教授より「eスポーツの操作におけるネットワーク遅延の影響検証」についての報告がありました.リズム競技とカーレース競技に焦点を当て,ネットワークの遅延が存在する場合に競技にどのような影響を及ぼすかについて実験により検証しています.その結果,リズム競技に関しては音声遅延の影響は大きいが画面表示の遅延は競技上級者であれば影響を軽減できることが分かりました.またカーレース競技に関しては上級者でも遅延による影響を大きく受けることが判明しました.この他に神奈川工科大学のeスポーツ公式クラブより活動報告がされました.

シンポジウム後半には2つのパネルディスカッションが設けられました.第1部「eスポーツを活用した地域活性化」では厚木市梅落氏,小田原市宇佐美氏,横須賀市小山田氏,関山氏がパネリストとして登壇し,eスポーツにおける各自治体での取り組み事例や今後の構想について紹介されたのち,自治体でeスポーツを扱う上での課題などについて質疑や討論が行われました.

続いて第2部の「eスポーツ発展のための工学的研究アプローチ」には,大阪大学藤橋氏,筑波大学松井氏,東北学院大学岩谷氏がパネリストとして登壇しました.藤橋氏はネットワーク遅延が競技に及ぼす影響を,AI技術などを駆使して軽減する研究をしています.松井氏はeスポーツが身体に及ぼす影響を生化学的視点から検証しています.岩谷氏は聴覚によって空間を把握する技術を研究し,eスポーツへの応用について検討しています.パネルディスカッションでは3氏よりそれぞれの研究について紹介してもらったのちに,パネリストによる質疑や討論が行われました.3氏ともにそれぞれ異なる分野で最先端の研究をされているので質疑応答の内容も多岐にわたり,非常に充実したディスカッションとなりました.

最後は塩川先進eスポーツ研究センター長の挨拶とともにシンポジウムは閉会しました.3時間という短い時間でしたが,大変内容の濃いシンポジウムとなりました.本シンポジウムの詳細につきましては,録画を公開していますので是非ご視聴ください.

<動画閲覧用のリンク>
https://www.youtube.com/watch?v=mAb1oTupHsw