【KAIT産学官連携メルマガ】工学部 電気電子情報工学科(2024年7月12日号)
※本メールマガジンは、神奈川工科大学(KAIT)が主催するシンポジウム等に参加された方、展示会等で名刺交換させていただいた方、関係機関の方々に配信しております。
※配信先の変更・停止をご希望の方は、末尾をご参照ください。
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目次
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【1】新着ニュース
【2】YouTube「神奈川工科大学 研究推進機構チャンネル」
【3】研究・技術シーズ紹介(工学部 電気電子情報工学科)
●広域避難所における被災者情報管理システムの研究
●太陽光発電システムの性能向上に関する研究
●高階調大型サッカード型ラインディスプレイの開発
●埃の静電的特性の考察と埃分布の測定システムの開発
●低損失半導体ダイオードの研究
●センサユニットの開発と応用技術の検討
●IoT家電と生活改善の開発
●放電・プラズマを利用した空気浄化の研究
●車載センサ情報共有型車両情報共有システム
●有彩色照明光が生体に及ぼす効果の解明
●集積形光機能デバイスの研究
●電子回路上の非線形波動制御に基づく信号生成制御技術
●社会問題と向き合い資源・エネルギーの新しい循環路を技術で開拓する
●発光スペクトルの調整が可能な紫外線励起型光源を使用した微細藻類の増殖促進に関する研究
●信号処理技術を活かした計測・識別技術に関する研究
●くらしの中に笑顔をつくるホームロボットによるスマイルハウスの開発
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【1】新着ニュース
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■研究推進機構 一色正男特命教授が「家電製品協会功労章」を受賞
https://www.kait.jp/news/post_140.html
■〈高大連携〉神奈川県立鶴嶺高等学校との教育交流に関する協定を締結
https://www.kait.jp/news/post_142.html
■〈高大連携〉神奈川県立平塚農商高等学校との教育交流に関する協定を締結
https://www.kait.jp/news/post_144.html
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【2】YouTube「神奈川工科大学 研究推進機構チャンネル」
https://www.youtube.com/@KikouKAIT
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今号の紹介動画:第2回リサーチデー【オープンラボ紹介動画】光通信ネットワークの潜在能力をフル活用する― 光信号を光のまま伝送処理する“光集積回路”の研究 ―
https://youtu.be/yowS-SVnpwY?feature=shared
※第2回リサーチデー(2024年4月5日開催)でのオープンラボ紹介動画です。
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【3】研究・技術シーズ紹介
《特集》工学部 電気電子情報工学科
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●広域避難所における被災者情報管理システムの研究
ユビキタスコンピューティング研究室 教授 安部惠一
近年、コロナ禍の影響で災害発生時は分散型避難が進んでおり、公の避難所で避難するよりも自宅避難や親戚宅、車中避難などに避難する人が増えています。このため地域一体で全ての被災者を管理するのは困難です。
そこで、本研究では、ICT(Information and Communication Technology)を用いて被災者情報を収集して名簿作成及び救援ニーズの発信から被災者の健康状態の管理までを一貫して行う避難所管理システムを全国の避難所内に設置し、クラウドサーバで各避難所地域の被災状況及び救援ニーズ(要配慮者の救援ニーズを含む)などを一元的に管理する被災者情報管理システム(Victims Information Management System : 以下VIMSと呼ぶ)の開発を行っています。このVIMS技術により避難所に限らず、自宅避難及び、車中避難などの分散型避難している被災者まで広域に管理できると考え、研究開発を行っています。本研究にご協力頂ける企業様など御座いましたら、ぜひお声を掛けて頂けますよう宜しくお願いいたします。
【研究室紹介はこちら https://www.kait.jp/research/navi/abe.html】
●太陽光発電システムの性能向上に関する研究
パワーエレクトロニクス研究室 教授 板子一隆
太陽光発電システムは環境に優しい新エネルギーとして注目され導入が進んでいます。研究室では制御技術の観点からPVシステムの性能を向上させる研究を行っています。新型MPPT(最大電力点追従)制御技術によるエネルギー効率の改善、リアルタイムでのパネルのホットスポットの検出法開発、パワーコンディショナのための新しいスイッチング技術(PCCS法)による電磁環境改善、PVを用いた災害時の非常用電源の開発などがあります。
当研究室ではSDGsの開発目標、ターゲットに対応したこれらの技術開発により、新エネルギー社会の実現を目指しています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/itako.html】
●高階調大型サッカード型ラインディスプレイの開発
人間情報家電研究室 教授 奥村万規子
「まばたき」や視線移動で生じる高速な眼球運動(サッカード)中に、LEDを高速に点滅し、情報を知覚させるラインディスプレイを開発しています。本ディスプレイは,1ラインに表示するだけで、人の網膜に2次元情報として知覚させるため、省エネ・省スペースで,広告やエンターテイメントでの応用が期待されます。 本研究室では、スマホから画像を転送する遠隔操作を可能とし、アスペクト比2:1で121インチ相当となる大型ラインディスプレイを開発しました。また、サッカードを模擬してスマートフォンを振ることにより、QRコードの読み取りも可能になりました。現在は、これまで8階調だった表示画像の階調を、255階調にするために、新たなデバイスの開発を行っています。これにより、人物写真の表示なども可能になります。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/okumura.html】
●埃の静電的特性の考察と埃分布の測定システムの開発
知能家電研究室 教授 金井徳兼
生活空間に存在する埃の成分は繊維が中心であり、その電気的な特性は誘電体と考えることができます。このテーマでは、埃の静電気的な特性を考察し、埃の堆積量の推定や室温湿度による特性の変動などを実験的に考察し、位置情報の取得と合わせて床面の埃分布情報のマップ化を目指しています。また埃の堆積した状態は数学的にはフラクタル図形と考えることができ、その堆積メカニズムについてもシミュレーションをもとに考察しています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/kanai.html】
●低損失半導体ダイオードの研究
電子デバイス研究室 教授 工藤嗣友
本研究では、次の要求事項を満足する低損失半導体素子の開発を行っています。
(1)LSIの動作電圧の低減化にともない、これを駆動するスイッチング電源回路用ダイオードの開発。
(2)再生可能エネルギーである太陽電池用低損失バイパスダイオードの開発。
従来の低オン電圧として使用されるショットキーバリアダイオードは、温度上昇にともない逆方向リーク電流が増加し事故加熱による熱暴走が生じ破壊を生じます。開発中のダイオードは、高温時(約175℃)でも熱暴走せず整流特性を得ています。本提案デバイス構造はユニポーラ構造とバイポーラ構造の合わさったデバイス構造なのでスイッチング損失が小さい特性が得られています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/kudo.html】
●センサユニットの開発と応用技術の検討
センサと家電研究室 教授 黄 啓新
本研究では、安心・安全な暮らしができる未来の社会や便利な生活空間や環境にやさしいスマートハウスを実現するために、汎用的なセンサユニットの開発と応用技術の検討を行うことを目的とします。具体的に市販された温湿度センサとCO2センサ等を用いて、コンパクトなセンサユニットを作製し、集めたセンサデータを分析し、季節ごとの屋内環境の状態を把握し、エアコンや換気扇やアロマテラビー用機器を制御し、屋内における空気質量や温湿度の改善を図り、最適な住環境を実現します。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/koh.html】
●IoT家電と生活改善の開発
IoTプログラミング研究室 准教授 杉村 博
インターネットにつながる家電(IoT家電)を利用して、一般家庭での生活改善を支援するシステムの研究開発をしています。IoT家電のセンサーや動作の情報収集を基にして住宅環境の測定を行うことで、現在の生活の問題点を発見して、改善点をアドバイスできるようなシステムを目標にしています。特に、新築への導入だけでなく、既設住宅への段階的なシステム導入を可能とする柔軟なシステムの構築方法を念頭に全体を設計しています。本研究では、家電をネットワークに接続して状態取得と制御をするハードウェア的テーマから、データ解析のための人工知能開発といったソフトウェア的テーマまでを広く取り扱っています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/sugimura.html】
【自主運営サイト https://www.he.kanagawa-it.ac.jp/~sugimura/】
●放電・プラズマを利用した空気浄化の研究
電気応用研究室 教授 瑞慶覧章朝
電気集塵技術を基軸に、放電・プラズマを利用した排ガスや室内空気中の浮遊粒子状物質、有害ガスやウイルス・細菌の除去に関する研究を進めています。コロナ放電、バリア放電、パルスストリーマ放電などの非熱平衡大気圧プラズマや高電界を利用し、排ガス中のブラックカーボン、硫酸塩、可溶性有機成分(SOF)、多環芳香族炭化水素(PAHs)、SOx、NOxなどを除去しています。また、室内空気中の浮遊ウイルスや菌の除去を目的として、コロナ放電、電界やイオンの影響を蛍光顕微鏡や電子顕微鏡など様々な手法を用いて多角的に検討しています。コロナ放電によって発生する電気流体のシミュレーション及びPIVを用いた計測も行っています。室内空気環境、船舶排ガスや火力発電所等の排ガス浄化など、大切な空気環境を守るために研究を推進しています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/zukeran.html】
【自主運営サイト https://sites.google.com/view/zukeran-lab】
●車載センサ情報共有型車両情報共有システム
モビリティITC研究室 准教授 高取祐介
自車両の走行情報と、車載障害物検出用センサで取得した周辺他車両の走行情報を、車車間通信で共有するシステムの研究を行っています。車載障害物検出用センサが苦手とする見通し外の車両情報に関して、自車の情報のみを送信する車車間通信では取得できないシステム車載器非搭載車情報を取得できる点が本システムの強みです。これは実際のシステム普及段階における運用環境(車載器搭載車両・非搭載車両混在環境)においてその強みが発揮されることが期待されています。本研究では、交通量やシステム車載器普及率がシステムの周辺車両情報取得性能に及ぼす影響についてミクロスコピック交通流シミュレータを構築し解析を行っています。また、従来の障害物検出センサは見通し内の障害物を対象としており、見通し外の障害物については対象外です。見通し外の障害物情報を他車両と共有することはさらなる周辺障害物の認知につながります。我々はステレオビジョンカメラを用いて、周辺に存在する反射性平面に映り込む見通し外障害物の位置推定を行うシステムについても開発しています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/takatori.html】
●有彩色照明光が生体に及ぼす効果の解明
視環境研究室 准教授 高橋 宏
近年、LED照明の普及に伴い、照明の光色が注目されています。実際に光色制御可能なLEDシーリングライトやLED電球も市販されており、照明の光色は今後ますます注目されると考えられます。しかし、有彩色光が生体に及ぼす効果は明らかにされておらず、現状では有効な利用法が見出せていません。そこで本研究では、有彩色光の効果的な利用法の提案を目指して、照明の光色が生体に及ぼす視覚的および非視覚的効果を、主観評価や生理評価を行うことで明らかにします。現在は脳波測定による覚醒度の変化に注目した研究を進めており、光色による覚醒度への影響が確認されています。また、光色環境が味覚閾値に及ぼす影響についても研究を進めており、より実用的な光色利用法の提案を目指しています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/htakahashi.html】
●集積形光機能デバイスの研究
光機能デバイス研究室 教授 中津原克己
身近な通信ネットワークも高速・大容量、高信頼・低遅延、多数同時接続が可能な5Gへと移行が図られ、さらにその次の世代の通信システムであるBeyond 5G(6G)の検討が進められています。この通信ネットワークの進展には、さらなる光通信技術の発展によるネットワークの高機能化と低消費電力化の実現が不可欠です。
当研究室では、企業や他の研究機関(沼津高専、香川大)と連携しながら、本学の研究設備である電子ビーム描画装置、スパッタリング装置、ドライエッチング装置などを駆使し、光機能デバイスの研究開発を行っています。導波路形光スイッチや光サーキュレータ、水平スロット導波路を用いたセンサデバイスなどの動作実証と性能向上を行い、光集積回路の実現を目指しています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/nakatsuhara.html】
●電子回路上の非線形波動制御に基づく信号生成制御技術
非線形波動工学研究室 教授 楢原浩一
本研究では、電界効果トランジスタや量子効果素子を分布定数的に用いるプラットフォーム上に誘起される様々な非線形波動現象を電気信号生成制御技術に応用することを目的としています。ムーアの法則に従って半導体素子・回路の集積率は増大を続けています。ここに来てその限界が議論されるに至っています。集積率向上の一つの目的は信号処理の高速化にあります。速度性能向上に特化する場合、ムーアの法則から外れた新しい処理形態が求められています。非線形波動制御は将来の高速処理に適した手法を提供します。例えば散逸ソリトン間に生ずる斥力を有効利用してタイミング・ジッタを軽減するなど従来にない手法を提案しています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/narahara.html】
●社会問題と向き合い資源・エネルギーの新しい循環路を技術で開拓する
システムエネルギー学研究室 教授 広井賀子
地球環境の元素・資源はもともと循環していますが、人間の活動によってバランスが崩れ、気候変動や自然災害の原因となっていると考えられています。この問題に付随して望まれる、持続可能な水資源供給の方法(生活インフラのスタンドアロン型供給システム)や、人の移動が実質減少しても心の解放を失わない方法(Alcova Elettrica)の開発を、新4年生たちとはじめました。この他、身近な生活における電化率を変革していく取り組み(Hand-work DX)や、AIの活用で人の生活実感における満足度を直接的に上げ、一人一人の向社会的行動機会を増やす取り組み(親友AI開発)を手掛けています。これらを統合して「個人」の階層の変化を「集団」(市、県など)のレベルへと拡張していくことを研究開発の目標としています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/hiroi.html】
●発光スペクトルの調整が可能な紫外線励起型光源を使用した微細藻類の増殖促進に関する研究
照明工学研究室 教授 三栖貴行
本研究室では主波長が異なる紫外線LEDの調光を行うことで蛍光体の発光色を制御する研究を行ってきました。高い演色性を保ちながらも色の印象が変化する発光手法を見出しましたが、光源の発光強度が低く応用例が見つかりませんでした。そのような中で応用バイオ科学科の村田教授と共同研究により本テーマを推進することになりました。微細藻類は明るすぎると「光阻害」が発生するため本研究室で開発してきた光源の明るさでも使用可能とわかりました。現在は厚木市内に生息するヒメミカヅキモの増殖促進を狙い実験していますが、今後はバイオマスに関わる微生物の増殖促進を検討していきます。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/misu.html】
●信号処理技術を活かした計測・識別技術に関する研究
ディジタル信号処理研究室 准教授 宮田統馬
ディジタル信号処理は近年急速に進歩し、計測や通信、音響、画像処理などの科学、工学の幅広い分野で用いられ必須の技術となっています。計測機器においてノイズを取り除くために、特性が比較的容易に変更可能なディジタルフィルタが用いられています。高速高精度な計測を実現するために、パラメータにより瞬時に特性が変えられる可変フィルタの設計法や実現法について研究を行っています。加えて、信号処理の基礎的な知見を生かし、画像処理を用いた機械加工品の不良品判別法や、機械学習を用いた識別法の開発など広く研究を行っています。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/miyata.html】
●くらしの中に笑顔をつくるホームロボットによるスマイルハウスの開発
コミュニケーションロボティクス研究室 准教授 山崎洋一
日常生活の中で、AIやロボットが、空気を察してさりげなくサポートして人の笑顔をつくるスマイルハウスの開発に取り組んでいます。現在取り組んでいる研究課題は、
・人の雰囲気の見える化
・人と人をつなぐロボット表現技術
・未病を治す高齢者サポートロボット
・遠隔家族団らんを実現するどこでもホーム
・図書館ウェブと連携したスマート司書ロボット
・身体差を超えるVRスポーツ「超人格闘技・神拳」 など。
【研究室紹介 https://www.kait.jp/research/navi/yamazaki.html】
【自主運営サイト http://yamalab.com/】
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