地域連携・貢献センター長挨拶
ここ3年間ほどコロナ禍にあってさまざまな行動制限を強いられておりましたが、2023年度に入り、ようやくキャンパスには学生の皆さんに活気がもどり、深緑の並木に差し込む木漏れ日に笑顔がきらりと輝いています。
今年は秋の学園祭も以前の規模で開催できるものと思いますが、先輩たちからの経験をつないで実行してきたイベントも、若干の不慣れな試行錯誤を強いられる状況にあると思います。しかしながら、そうした心配もはねのけるような、新たな発想も見られ、困難な壁を乗り越えるパワーのようなものも伝わってきます。それは、コロナ禍での学生たちの行動をみていて、その適応力や判断力のようなものが、過去の経験にとらわれない、この世代ならではの能力を発揮していたように感じるからです。
どのような時代も乗り越えてきた私たち人間社会は、むしろ相互の信頼感を高め、力を合わせて協力しあうことこそが次代を創るものだと、そう強く考えております。
学生に学ぶことが多くあったコロナ禍と思っています。例えば、高齢者の健康のためのウォーキングに学生たちが一緒に楽しく語り合いながら歩く姿。子供たちにロボット教室を開講するために、皆でマニュアルを作成し、振り返りのレポートを綴っている姿。子どもたちや老人クラブの方たちとSDGsを学び合う企画を、相手の立場に立って練り上げる議論をしている姿。貢献センターの会議室を使って語り合っている学生の姿に、感動すら覚えます。
当大学は、今年創立60周年を迎えます。その記念事業の一つとしてKAIT TOWNの建設が現在進められています。2024年4月のオープンに向けて私たち貢献センタースタッフは、地域の方々が利用しやすい、学生たちと交流しやすい、そして、教職員と地域の方々が対等に語り合える場づくりを目指して準備を進めているところです。当大学の建学の理念では「教育・研究を通じて地域社会との連携強化に努める」とうたわれています。その拠点となるべく、現在行っているさまざまな連携事業をさらに充実させていきます。さらには、多様性を尊重し、社会に貢献するアクセシブルなセンターとして、ハード面、ソフト面の整備を進めていきます。
皆様のご協力をなにとぞよろしくお願い致します。
小川 喜道
プロフィール
地域連携・貢献センターの設立経緯
本学では、学生がさまざまな分野で自主的なボランティア活動が行われていると共に、個々の教員が企画し、それぞれ個別に社会貢献活動をしてきました。そこで、2009年より学長室に地域連携推進ワーキンググループを設置し、地域での諸活動を後押しすると共に、広報に努め、社会貢献を推進することとしました。
地域からの依頼に対する現状での対応は、学生課、企画広報課、教務課、それぞれ独自に行われてきましたが、スポーツ・文化活動については事務部門、教育や専門性を伴うイベントは学科や教員が担い、教育委員会、市内外の学校からの依頼に対しては、個々の教員が実施するなど、それぞれが対応してきたと言えます。大きく分ければ、1)市内機関等からの要請による知識・技術提供、2) 学生の教育プログラムに導入しての知識・技術提供、に分けて考えることもできます。これらを、全学的な取り組みとし、合理的、効率的に行うことで、さらに、地域貢献と教育の相乗効果をもって発展させることが可能となります。
社会貢献に関する地域からの要請課題は、主として①健康・福祉関連の支援、②年少児童の理科離れ対策への支援、そして③市民の生涯学習支援などです。これらについては、例えば、①については、神奈川工科大学健康福祉支援開発センターや関連学科による高齢者の身体能力測定、運動指導の実施につながっています。②については、幼児・子供向けの理科実験教室(あつぎ未来塾)、高大連携サマースクールなどがあります。③は、神奈川工科大学ITエクステンションセンターにて各種資格取得講座、教養講座を開催してきました。
地域貢献活動には学生ボランティアも多数参加、実施しており、近年では、防犯パトロール、エコ推進活動、障害者施設等の車椅子修理・メンテナンスなどを行っています。ボランティア活動は教育面からも社会性向上など成果が大きく、本学では積極的に支援しています。
さらに本センター設立を促進したのは、2017年4月に発足した地域連携災害ケア研究センターです。2015年より地元厚木市危機管理課をはじめ地元自治会長、高齢者支援及び障害者支援の機関の方々の参加を得て、災害関連ミーティングを重ねてきました。当大学は地元市の指定避難所でもあり、3.11以降、後期始業日には全学的な避難訓練を行うなど、災害に対して積極的な取り組みをしてきました。そこで、地域連携災害ケア研究センターでは、各学部に所属する研究者や関連事務部門の職員を含めた組織を構成して、継続的な実践研究を続けています。この活動も、当地域連携・貢献センターと協調しながら展開をしています。
社会貢献における達成目標として、(1)教育や研究を基盤に地域における課題を解決することも大切なテーマであり、(2)大学教育プログラムに地域貢献の要素を導入することで実践的・総合的問題解決能力を身につけることにもつながります。
これまで、各部門、各学科、学生や教職員個人やサークルなどがそれぞれの立場で熱心に活動してきましたが、それらを外に見えるようにし、活動の評価を地域からの目線でしていただくことも必要です。それから私たちが気づかない地域課題もたくさんあることでしょう。それらに取り組むためには、今回設置した「地域連携・貢献センター」が大いに役立つものと確信しております。
まずは、学内外の一人ひとりの方々としっかりとコミュニケーションを取り、ニーズを引き出し、また大学のもつシーズを見出してつなぎ合わせるプロセスを本センターとして担っていきたいと考えております。
地域連携・貢献センターの位置づけ
地域連携・貢献センターは、いかに抜粋しました神奈川工科大学の建学の理念に基づいています。
「当大学は、広く勉学意欲旺盛な学生を集め、豊かな教養と幅広い視野を持ち、創造性に富んだ技術者を育てて科学技術立国に寄与するとともに、教育、研究を通じて地域社会との連携強化に努める。」
地域連携・貢献センターの組織図
包括連携協定
市町村
締結先 | 締結日 | 協定書名 |
---|---|---|
神奈川県厚木市 | 平成20年6月30日 | 厚木市と神奈川工科大学、松蔭大学、湘北短期大学、東京工芸大学及び東京農業大学との連携及び協働に関する包括協定書 |
静岡県富士市 | 令和元年9月2日 | 静岡県富士市と神奈川工科大学との連携・協力に関する協定書 |
静岡県沼津市 | 令和2年9月15日 | 神奈川工科大学と沼津市との包括的な連携協力に関する協定書 |
神奈川県愛甲郡愛川町 | 令和2年9月29日 | 愛川町と神奈川工科大学との包括連携に関する協定書 |
静岡県裾野市 | 令和3年3月23日 | 裾野市と神奈川工科大学との包括連携に関する協定書 |
民間企業等
締結先 | 締結日 | 協定書名 |
---|---|---|
相田みつを美術館 | 平成26年6月1日 | 神奈川工科大学と相田みつを美術館との連携に関する包括協定書 |
マツダ株式会社 | 平成30年8月1日 | 次世代の人馬一体感の創出に向けた車両ダイナミクス領域での合意書 |
三和電気土木工事株式会社 | 令和2年4月1日 | 三和電気土木株式会社と神奈川工科大学との産学包括連携に関する協定書 |
東光電気工事株式会社 | 令和2年4月1日 | 東光電気工事株式会社と神奈川工科大学との産学包括連携に関する協定書 |
トーヨーカネツ株式会社 | 令和2年4月1日 | トーヨーカネツ株式会社と神奈川工科大学との産学包括連携に関する協定書 |
株式会社未来技術研究所 | 令和2年4月1日 | 株式会社未来技術研究所と神奈川工科大学との産学包括連携に関する協定書 |
株式会社クロスキャット | 令和2年4月1日 | 株式会社クロスキャットと神奈川工科大学との産学包括連携に関する協定書 |
TISソリューションリンク株式会社 | 令和2年4月1日 | TISソリューションリンク株式会社と神奈川工科大学との産学包括連携に関する協定書 |
中央電気工事株式会社 | 令和2年4月1日 | 中央電気株式会社と神奈川工科大学との産学包括連携に関する協定書 |
旭日電気工業株式会社 | 令和2年4月1日 | 旭日電気工業株式会社と神奈川工科大学との産学包括連携に関する協定書 |
NTT東日本、NTTe-Sports | 令和2年11月18日 | 神奈川工科大学とNTT東日本とNTTe-Sportsのeスポーツ分野の研究・教育、地域活性化推進に向けた連携に関する協定書 |
日本ピーマック株式会社 | 令和3年4月1日 | 日本ピーマック株式会社と神奈川工科大学との産学包括連携に関する協定書 |
株式会社柴橋商会 | 令和3年4月1日 | 株式会社柴橋商会と神奈川工科大学との産学包括連携に関する協定書 |
扶桑電機株式会社 | 令和3年4月1日 | 扶桑電機株式会社と神奈川工科大学との産学包括連携に関する協定書 |
株式会社情報システム工学 | 令和3年4月1日 | 株式会社情報システム工学と神奈川工科大学との産学包括連携に関する協定書 |
さがみはら産業創造センター | 令和3年9月29日 | 産学連携による中小企業支援等に関する協定 |
大学
締結先 | 締結日 | 協定書名 |
---|---|---|
久留米工業大学 | 平成29年5月22日 | 神奈川工科大学と久留米工業大学との包括的連携協力に関する協定書 |
青森大学 | 平成31年1月16日 | 神奈川工科大学と青森大学との連携協力に関する協定書 |
新潟工科大学 | 令和元年9月27日 | 神奈川工科大学と新潟工科大学との包括的連携協力に関する協定書 |
北里大学 | 平成29年5月29日 | 北里大学と神奈川工科大学との間における連携協力に関する協定書 |
諸団体
締結先 | 締結日 | 協定書名 |
---|---|---|
神奈川県立産業技術総合研究所 | 平成30年3月22日 | 包括連携協定書 |
産業技術総合研究所 | 平成13年4月2日 | 神奈川工科大学と独立行政法人産業技術総合研究所との教育研究協力に関する協定書 |
宇宙航空研究開発機構 | 平成30年3月14日 | 神奈川工科大学と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構との連携大学院に関する協定書 |
厚木商工会議所 | 平成30年9月28日 | 厚木商工会議所市と神奈川工科大学、松蔭大学、湘北短期大学、東京工芸大学及び東京農業大学との連携・協力及び協働に関する包括協定書 |
静岡県総合教育センター | 令和元年11月7日 | 静岡県総合教育センターと神奈川工科大学との連携協力に関する協定書 |
神奈川県立総合教育センター | 平成17年3月18日 | 神奈川県立総合教育センターと神奈川工科大学との連携協力に関する協定書 |
海外学術教育交流協定大学
神奈川工科大学は、現在、海外17か国、38大学と協定を結んでおり、主に学術・学生交流、交換留学、語学研修等を行っています。
大学の一覧は下記URLをご参照ください。